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「バランスよく食べる」ってなぜ必要?

「バランスよく食べましょう」
みなさん一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか?


今回は「バランスよく食べる」ことがなぜ必要なのか、追及していきたいと思います。

味の素グループが40年以上にわたって行っている「主婦の食生活意識調査(Ajinomoto Monitoring Consumer Survey)」では、最近の食生活の特徴がよく表れます。
献立を決める時に重視するポイントについては、「栄養バランス」「経済性」「簡単に作れる」「野菜を多くとれる」「子ども(または夫、自分)の好み」などの選択肢から、複数回答可で選んでもらう項目があります。

2018年の調査結果は・・・
20代の主婦が献立の重点ポイントとして挙げたのは、上位から順に「簡単に作れる」、「家にある食材を使う」、「野菜を多くとれる」と続き、このあたりは全数解析と変わりがないが、問題は10位までみても「栄養バランス」がランクインしない。

30代では「栄養バランス」がランクインするものの、その順位は8位であり決して高くない。
40代では6位、50~60代では5位と、年齢が高くなるにつれて「栄養バランス」が重視されてくるという結果でした。

「バランスよく食べる」ということは、栄養士の指導としてメインテーマと言えますが、とくに若い世代では、重要視されていないことが明らかになりました。

共働きや核家族の増加など家庭環境の背景からくる要因もあると思いますが、栄養士として、若い世代の認識の現実にはショックですね…


では、なぜ「バランスよく食べる」ことが必要なのでしょうか。

答えは、【私たちの身体は、化学反応の連続でできている】からです。
私たちは呼吸をしないと生きていけません。そして、運動や成長も身体の中で起きる化学反応でできています。
化学反応のサイクルを効率よくすることで、成長や疲労回復などの嬉しい効果も効率的に行うことができます。

どうやって、化学反応を効率的にしていったらいいのでしょうか。

【化学反応の3つのルール】

1.化学反応をするために必要な材料(酸素や水,栄養素)がそろっているときには,必要なものを必要なだけ作ります。
例えば,炭水化物とビタミンB 群が必要な量あると,必要な分のエネルギーを作りだすことができます。


2.化学反応するための材料が多すぎるときには,余った材料はそのまま体外に排泄されたり,別の物質に加工されて貯蔵・排泄されます。
材料が多くても必要以上に作られるわけではありません。
例えば,体内に炭水化物とビタミンB 群が必要な量の2倍あったとしても,「生命維
持」や「運動」そして「成長」に必要なエネルギーしか作りません。余った炭水化物は脂肪に,ビタミンB 群は尿中に排泄されます。


3.材料が不足しているときには,最低限の化学反応だけが起こり,不足分を節約したり,他の物質を加工して補充します。
例えば,体内のエネルギーは,エネルギー源となる炭水化物が必要量あっても,ビタミンB 群が少ない場合には,その量に応じた炭水化物しか化学反応せず,その分だけのエネルギーが作られます。それにより,使われなかった炭水化物は脂肪に作り変えられ,貯蔵されます。このように,炭水化物の食べる量は適切であるにもかかわらず,ビタミンB 群の摂取が少ないことにより,太る可能性があります。

このルールからもわかるように、
「ご飯が好きだから、ご飯だけたくさん食べたらいいや」というような食べ方をしてると、化学反応が上手に行われず、太りやすくなったり、疲れが溜まりやすいような身体になってしまいます。

1つの食材が多すぎる、足りなさすぎることが問題になってしまいます。
それぞれの食材を必要な量食べること…それを叶えてくれる食べ方が「バランスよく食べる」ことなんですね。

今日の献立はさっそく、
主食(ごはんやパン、麺類など)
主菜(肉、魚、卵など)
副菜(野菜、海藻)
この3つを意識して揃えてみてください。

3つをそろえると「バランス」の整った食事になります。

皆さんで一緒に、化学反応効率アップにチャレンジしましょう!

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