日本の食を支えるためにできること
2021年、緊急事態宣言の発出に伴う学校の一斉休校やカフェなどの営業自粛により消費が落ち込んだ際、
牛乳をいつもよりもう1杯、もう1本消費することをお願いする「プラスワンプロジェクト」が実施されました。
これをきっかけに多くの方が牛乳を意識して消費し、処理不可能乳の発生を避けることができました。
参加した皆さんは自分の活動がプロジェクトの一助となり、嬉しい気持ちやホッとした気持ちになったのではないでしょうか。
今回は、このプロジェクトも関係する日本の食料自給率についてお話します。
●食料自給率とは
国内の食料生産で国内の消費がどれだけ賄えるかを表した指標です。
例えば、国内で消費が100あるが、国内の生産では50しか賄えていない場合、食料自給率は50%になります。
食料自給率にはいくつか種類があり、私たちがよく耳にする一般的な食料自給率は、
食品のカロリーをベースとした「カロリーベース食料自給率」となります。
【食料自給率(%)=国内の生産量÷国内の消費量×100】
●食料自給率の推移
2013年、「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
海外において、日本食は「ヘルシー」「美しい」「安全・安心」として高い評価を得ています。
しかし、日本の食料自給率は減少傾向にあり、1965(昭和40)年度には70%を超えていましたが、
時代とともに徐々に減少し、1998(昭和10)年頃には40%前後、2021(令和2)年度は37%となりました。
これは主要先進国の中で最低水準であり、異常気象や世界情勢の悪化など何らかの理由で輸入が滞った際に、
日本の消費の半分以上が賄えなくなることを意味します。
輸入に頼りきることなく、国内での生産で消費を賄うことが、私たちの生活を支える上で大切ですね。
食料自給率の低下は、作付面積の減少による国内生産量の減少が主な原因ですが、
そのほかにも食メニューの欧米化などによる米離れ(輸入中心である小麦などへ主食がシフト)も一因です。
●私たちに出来ること
農林水産省では、私たちみんなの目標として、
食料自給率を2030(令和12)年度までに45%に上げるという目標を立てています。
食料自給率アップのための5つのアクション
1、今が旬の食べ物を選びましょう
2、地元でとれる食材を日々の食事にいかしましょう
3、ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけ、しっかり朝ごはんを食べましょう
4、食べ残しを減らしましょう
5、自給率向上を図るさまざまな取り組みを知り、試し、応援しましょう
コロナ禍において、ひとりひとりの意識が社会全体を変えることを改めて実感する今、
食料自給率においてもできることから実践していきましょう。