ヒートショックに気をつけましょう!
11月に入り、朝晩が冷え込むようになりました。
夏は暑くて控えていた湯船に、そろそろ浸かろうかな?とお考えの方も多いのではないでしょうか?
さて、今回は寒い時期に起こりやすい「ヒートショック」についてお話します。ヒートショックとは、血圧が乱高下することで、脳出血や大動脈解離、心筋梗塞や脳梗塞などを起こすことを言います。よく起こるケースとして、トイレやお風呂が挙げられます。トイレやお風呂には暖房がないため、室内との温度差が大きくなります。暖房のきいた部屋から寒い浴室に移動すると血管が収縮し血圧が上昇し、浴槽に入ると体が温まって血管が拡がり血圧が下降しやすくなるのです。また、排尿中や排便中は血圧が上がります。このことから、トイレも血圧の変動が起こりやすい場所だとわかります。
11月から4月にかけての寒い季節は、入浴中に気を失い、浴槽の中で溺れる事故が多くなります。令和元年厚生労働省人口動態統計よると、冬の寒い時期1月は8月、9月の約10倍の人が亡くなっています。交通事故で亡くなる方が2508人だったのに対し、溺死する方は4000人と交通事故で亡くなるかたより多くなっています。
以下の方は、ヒートショックが特に起こりやすいので注意しましょう!
• 65歳以上の方
• 高血圧や糖尿病、動脈硬化がある方
• 肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある方
• 浴室に暖房設備がない方
• 熱いお風呂に好んで入る方
では、どうすればヒートショックを防ぐことができるのでしょうか。
まずは、部屋が冷えないように暖房器具で暖めることが重要です。そうすることで急激な温度変化を防ぐことができます。お湯の温度を熱くしすぎないことも大切です。41度以上にするとヒートショックのリスクが高まるため、38~40度に設定し、10分程度で上がるようにしましょう。かけ湯をしてからお湯に入ることも大切です。心臓から遠い足先のほうから肩まで徐々にお湯をかけてお湯の温度に体を慣らすと、心臓に負担がかからず血圧の急激な変動を防げます。お湯から出るときは、ゆっくり立ち上がることも心がけてください。急に立ち上がると、血液が脳まで届かずめまいや失神を起こすことがあります。
また、体が脱水状態だとヒートショックになりやすいとされているため、入浴前に水分を取ることも対策になります。高齢者は、食後に血圧が下がりすぎる食後低血圧によって失神することがあるため、食後すぐの入浴は避けましょう。飲酒によっても一時的に血圧が下がります。飲酒後はアルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。
「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、「自分にも起きるかもしれない」という予防意識をもって生活するようにしましょう!